別れた相手との関係を修復したい――そう思ったとき、最も大切なのは「信頼の再構築」です。ところが、多くの人は焦りから自分の気持ちを伝えすぎたり、説得しようとして逆に距離を広げてしまうことがあります。
そこで効果的なのが「バックトラッキング話法」です。これは、相手の言葉をそのまま、または要約して返すことで、「この人は自分を理解してくれている」と相手に感じさせる心理的テクニック。カウンセリングやコーチングの現場でも使われるほど、信頼関係を築く力があります。
バックトラッキング話法とは?
バックトラッキング(Backtracking)とは直訳すると「繰り返す」「言葉を返す」という意味です。相手が話した内容を要約して返すことで、相手の感情を承認し、安心感を与える手法です。たとえば次のような会話が典型的です。
相手:「仕事が忙しくて、恋愛どころじゃなかったんだ」
あなた:「そっか、仕事がすごく大変だったんだね。」
このように、相手の言葉を受け止めて返すだけで、相手の中に「理解された」という温かい感情が芽生えます。これは単なるオウム返しではなく、相手の感情を受け取り、共感を返す会話技法です。
復縁でバックトラッキングを活用する3つのステップ
- 相手の言葉を丁寧に聴く
まずは、話を遮らずに聴くことが大切です。復縁を焦るあまり「でも」「だって」と反論すると、相手の心は閉じてしまいます。相手がどんな気持ちで話しているのかを、言葉の奥にある感情まで意識して受け取りましょう。
- 相手の感情を言葉にして返す
「~だったんだね」「~って感じたんだね」と、相手の発言を要約して返します。ここで大切なのは、評価やアドバイスを加えないこと。共感だけを返すと、相手は安心し、自分から心を開き始めます。
- 会話の流れに「受容」を添える
バックトラッキングの目的は、相手を変えることではなく、「受け止めること」。復縁では、この“受容”の姿勢が最も大切です。「あなたの気持ち、分かるよ」と自然に伝えることで、相手は再びあなたの存在を信頼し始めます。
注意すべきポイント
- オウム返しのように機械的に使うと不自然になります。あくまで相手の感情を理解する意図で。
- 過去の言い争いを蒸し返すような内容は避け、今の相手の気持ちに焦点を当てましょう。
- 相手の話に共感しつつも、自分を卑下する必要はありません。誠実で穏やかな態度が最も信頼されます。
まとめ:共感が「もう一度」を引き寄せる
バックトラッキング話法は、言葉のテクニックであると同時に、「相手の世界に寄り添う姿勢」です。復縁とは、過去をやり直すことではなく、互いに再び理解し合うプロセス。その最初の扉を開くのが、この話法の力です。
焦らず、ゆっくりと相手の気持ちを受け止めてください。その共感が、再び二人を結びつける大きな引き寄せの波となるでしょう。